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コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識

2016.03.01
富士山と一緒に世界遺産に登録された富士五湖の歴史

富士山の豆知識

2013年6月、富士山と一緒に世界遺産に登録された「富士五湖」。富士五湖とは富士山の麓に佇む5つの湖のことで、観光にレジャーにと毎年多くの人が訪れる人気のスポットとなっているんだ。でも、注目を集める一方で、富士五湖の歴史についてはほとんど知られてないのが残念だよね。
そこで今回は、富士五湖の歴史にスポットライトを当てて紹介するよ!

富士五湖とは

富士五湖の歴史

富士五湖は、本栖湖(もとすこ)・精進湖(しょうじこ)・西湖(さいこ)・河口湖(かわぐちこ)・山中湖(やまなかこ)の5つの湖の総称です。いわゆる「せき止め湖」として知られており、富士山の噴火によって流れ出た溶岩が川をせき止めて誕生したとされています。
それぞれの湖の面積や水深などの特徴は大きく異なり、単なるせき止め湖ではない深い歴史があることを伺い知ることができるでしょう。

富士五湖の特徴

富士五湖の特徴

本栖湖
水深が121.6メートルと、5つの湖の中で最も深い湖です。富士五湖の中でも、富士山の眺望や湖面に映る富士の姿が最も美しいといわれており、名物の「逆さ富士」を撮影しようと多くの写真家や観光客が訪れるスポットとなっています。

精進湖
富士五湖の中で最も小さい湖ですが、それと同時に最も美しい湖としても知られています。その美しさは世界中で注目されており、精進湖を目指して日本を訪れる外国人観光客が数多くいます。あまりの人気に、外国人専用のホテルである「精進ホテル(現在の精進マウントホテル)」を開業するに至ったほどです。

西湖
西湖は精進湖の次に小さく、水深は本栖湖の次に深い湖です。他の湖に比べるとあまり観光地化されていません。そのため、ありのままの美しい自然が残されており、その豊かさやダイナミックさを楽しむことができます。70年前に絶滅したとされていた「クニマス」が、2010年に西湖で再発見されたことにより、大きな注目を集めました。

河口湖
富士五湖の中で最も知名度が高いのは河口湖でしょう。河口湖駅や河口湖インターも近くにあり、交通の利便性が高いため多くの観光客が訪れます。周囲に宿泊施設や土産物店も多く、富士五湖観光の拠点となっています。

山中湖
面積は6.7平方キロメートルを誇り、富士五湖の中で最も広大な湖です。その面積の広さを活かし、釣りやヨット、ウインドサーフィンなどが楽しまれています。山梨県の天然記念物として指定されている「フジマリモ」の生息地としても有名ですが、最近は水質悪化により絶滅の危機に直面しています。

富士五湖の歴史

富士山から流れ出た溶岩

富士五湖は、富士山から流れ出た溶岩によって誕生したとされています。

1万5千~2万年前に起きた古富士火山の爆発的な噴火により、多量の噴出物が吹き出されました。そして地下に空洞ができ、地表が陥没した部分に水が流れ込んだ結果、「せの湖(うみ)」「宇津湖」「旧河口湖」「明見湖」と呼ばれる4つの湖が生まれました。

しかし、およそ5500年前に起きた新富士火山の激しい火山活動により、山麓には大量の火山灰や火山礫が降り注ぎ、宇津湖・明見湖・旧河口湖のほとんどが埋め尽くされてしまいます。最も大きかったせの湖の面積も半分程度になってしまいました。

4500年前になると、新富士火山は溶岩流を伴う火山活動を始め、流れ出た溶岩によってせの湖はますます縮小するとともに、西側の部分が切り離されて本栖湖が誕生しました。また、旧河口湖があった地域を水源とし、太田川が溶岩によってせき止められ、現在の河口湖のもとになる湖が誕生しました。

そして、1500年前に起こった噴火により、丹沢山地から流れ出る谷の入り口を溶岩流がせき止めた結果、山中湖が誕生しました。最終的に、せの湖は864年に起きた噴火による溶岩流で、西湖、精進湖、本栖湖の3湖に分断されました。これが富士五湖のルーツとなっています。

おわりに

富士山の度重なる噴火によって少しずつ形や大きさを変えながら、現在の富士五湖が完成していったことがわかったね。5つの湖はそれぞれ異なる個性をと壮大な歴史を持っていて、世界遺産にふさわしい湖なんだ。
富士五湖がどのように誕生し現在の姿へと至るのかを知ることによって、これまで以上に富士五湖の魅力を感じることができると思うよ!