コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
日本一の標高を誇る富士山が、時代を越えてたくさんの人から愛されてきたことは知っているよね!富士山は約1万数千年前の石器時代から活発な火山活動を何度も繰り返して、徐々に現代のような形に近づいていったそうだよ。
じゃあ、あんなに美しい富士山だけど、日本アルプスに比べて高山植物が少ないことを知っているかな?それは、富士山が形成された時期や高山植物の由来とも関係があるんだ。でも、富士山で見られる植物や花もいくつかあるんだよ。
そこで今回は、富士山に自生する植物・花の種類について紹介するよ!
富士山の山地に高山植物が生えていない理由
高山植物とは、高木が生育できなくなる森林限界(日本アルプスや富士山では2,500m)よりも高いところに生えている植物の総称です。現在、日本アルプスなどの高山に自生する高山植物は、7万年ほど前に始まった最終氷河期に南下して日本まで伝わってきました。
約1万年前に最終氷河期が終わり、それと共に寒冷な土地を求めて高山へと分布した植物が、高山植物として今も日本アルプスなどで生き続けています。
日本アルプスは氷河期の終わり頃すでに現代とほとんど同じ姿になっていたため高山植物が活着しましたが、富士山ができたのは約1万年前のため、高山植物が活着する機会を逸してしまったのです。
また、岩肌や石ころなどが多く植物が生息しにくい環境であることも、富士山に植物が少ない理由の1つといわれています。
富士山の山地帯に自生する植物・花の種類
山地帯とは、標高800~1,600mあたりのことを指します。
富士山の山地帯には、ブナやミズナラなどの落葉広葉樹やヒノキ、アカマツなどが群生しています。
他にもコナラ、ヒノキ、ツガ、モミ、ソヨゴ、サルナシ、フジザクラなどの植物の他、ヤマブドウやススキ、オミナエシ、ミヤマアキノキリンソウ、クルマユリ、ヤマホタルブクロ、ヤナギランなどが分布しています。
御殿場口新五合目(標高1,440m)から鳥居をくぐって登り始めると、フジアザミの群落に出会うことでしょう。
富士山の植物分布は山の形の円錐形に沿って生育していますが、標高が高くなるほど生育環境が悪くなります。その上、植物にとっては好条件とはいえない地質ですが、だからこそともいえる富士独自の高山植物が自生しています。たとえば、フジアザミ、フジイバラ、フジオトギリ、フジザクラ、フジテンニンソウ、フジハタザオなどです。
富士山の亜高山帯に自生する植物・花の種類
亜高山帯とは、1,600~2,500mくらいの標高のことを指します。富士山では6合目あたりが、ちょうど森林限界といわれる高木が生育できなくなる限界の標高です。
亜高山帯はカラマツやシラビソなどの常緑針葉樹で覆われています。
中でもカラマツは独特の形をとっており、樹高が低く地面を這うようにして生育しているのが特徴です。カラマツは本来、幹がまっすぐ伸び三角錐をしている植物ですが、森林限界では低温や強風のため、植物の樹高が極端に低くなります。
ピンクの美しい花をつけるハクサンシャクナゲは標高2,000m以上でも目にすることが可能です。
ハクサンシャクナゲは環境への順応性が高く、30~50㎝の低木として亜高山帯から高山帯まで広く分布しています。
富士山の高山帯に自生する植物・花の種類
高山帯とは、標高2,500m以上のことを指します。
森林限界を過ぎると自生する植物は限られてきますが、オンタデなどとともに、岩陰などに鳥の爪先のような形をした白い花のイワツメクサなどを見かけることが可能です。
富士山の高山帯でよく見かけるオンタデはイタドリと似ていますが、オンタデはシベリアにもあり、氷河期の名残の高山植物といわれています。
おわりに
今回は、富士山に高山植物が生えていない理由と、富士山に自生する植物・花の種類について紹介したよ。
富士山は標高の高い場所でもさまざまな植物や花が自生していて、美しい自然を形成しているんだね。富士山に登るときは、登山道から見える植物にも目を向けてみるともっと富士山を楽しめそうだね!
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