コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
みんなは、海外に行ってお腹を壊した経験はないかな?旅行中の人に多く見られる症状で、「旅行者下痢症」と呼ばれているんだ。発症する人の割合は20~50%程度。欧米などの先進国への旅行者では数%と低いけれど、東南アジアや南アジア、アフリカや中東、ラテンアメリカなどの発展途上国においては、70~80%もの日本人旅行者がお腹を下してしまっているため、これらの国へ行く予定のある人は気をつけたいね。
旅行者下痢症は、現地の水を飲んだことが原因となっているケースが多いんだ。では、日本の水と海外の水とはいったい何が違うのかな?
ここでは海外の水と日本の水の違いについて紹介するよ!
水道水が飲める国や地域は少ない
水道水を安全に飲めるとされる国や地域は、世界中に見ても非常に数が限られています。
例えば、フィンランドやスウェーデンなど、水資源が豊富で自然が守られている北欧の国。また、オーストリア、スイス、イタリアなど、アルプスの水を水道水に使っている地域。そして、日本やドイツをはじめとした、水道インフラが整った先進国の都市部などです。
一方、東南アジアや発展途上国では、まだまだ水道水が安心して飲めない地域や、水道インフラが整っていない地域が数多くあります。
また、安全に水道水が飲める地域であっても、ヨーロッパでは築100年の物件などは珍しくないため、貯水槽や水道管の老朽化などに注意が必要な場合が数多くあります。
このような理由から、水は買って飲むものという習慣が海外では一般的となっています。
海外の水は衛生面が心配
現地の方は水道水をそのまま飲んでも平気だが、日本人が同じ水を飲むとお腹を壊すというケースもよくあります。
日本は水道技術が高く、極めて衛生的です。清潔な状態に慣れた日本人の体は抵抗力が弱いため、海外の水は合わない場合が多いといわれています。
また、飲み水には十分に注意していても、ジュース類に入った氷や生野菜サラダなどを食べたときに、うっかり水道水を口にしてしまうことがあります。これは、氷を作るときや野菜を洗うときにも水道水が使用されているためです。これらを避けるために、飲み物はなるべく常温か温かいものを選び、食品は加熱したものを選びましょう。
さらに、衛生面が不安な国では歯みがきもミネラルウォーターで行うことをおすすめします。
海外の水は硬度が高い
海外の水と日本の水の最大の違いは、硬度の差でしょう。
水の硬度は含まれるカルシウムとマグネシウムの量によって決まります。カルシウムとマグネシウムの量が1リットル当たり120㎎以上のものを硬水といい、120㎎以下は軟水と呼ばれます。
東京の水道水の硬度は60㎎前後のため軟水で、まろやかな口当たりが良いといわれます。一方、欧州の水道水の多くは硬水で、口当たりがしっかりしている点が特徴です。
硬度の違いは、大地を形成する物質の違いによって現れます。地層を長い時間かけて通りろ過された水には、その土地の成分が溶け込んでいるのです。
また、硬度が影響する部分は味だけではありません。特に、マグネシウムの含有量が多い水を胃腸の弱い方が飲むと、お腹を下すことがあります。
あまり気にも留めず、海外滞在中に硬水を飲み続けていると、旅行が楽しめないまま帰国ということにもなりかねません。
ミネラルウォーターを買う際には、成分表を確認して硬度が低めの水を購入すると良いでしょう。
おわりに
日本には美しい自然と豊富な水資源があるため、安全な水が簡単に手に入るよね。でも、世界的に見れば日本はとても恵まれていて、水道水を飲めるなんて珍しい国なんだ!
海外に行くときは、飲み水やジュースに入っている氷、サラダまで、とにかく水には注意しよう。
好みもあるだろうけど、硬度が高すぎる水は日本人には合わないことが多いから、海外での飲み水はできるだけ軟水を選ぶことをおすすめするよ!
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