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コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識

2015.11.17
カルキ臭の原因は塩素?身体に害はある?水道水の残留塩素とは

水と健康

水道水を飲んだとき、なんともいえない嫌な臭いを感じたという人も多いんじゃないかな?
特に夏場になると、「水道水の臭いがきつくて、飲むことができない」なんていう話も耳にするよね。こうした臭いは、「カルキ臭」と呼ばれてるんだ。
ここでは、「カルキ臭」の原因や、身体に害があるのかどうかなど、気になるポイントを紹介するよ。

「カルキ臭」の正体は「残留塩素」の臭い

水道水の残留塩素

水道水の中に含まれる塩素を、「残留塩素」と呼びます。日本では安全性を保つために、 水道水の塩素濃度を一定以上に保つことが法律で定められています。 「カルキ臭」とは、水道水に含まれる残留塩素の臭いであり、日本の水道水がきちんと消毒されているという証明です。

「残留塩素」は身体に害があるのか

残留塩素

「塩素」というと、なんとなく体に悪いイメージを持っている、という方も多いかもしれません。実際、塩素は強い毒性を持っており、過剰に摂取すれば人体にも悪影響を及ぼしかねない物質です。
しかし日本では、水道水に含まれる塩素の目標値を「1mg/L以下」としています。WHOのガイドラインが「5mg/L以下」であることを考えると、日本はかなり厳しく残留塩素を制限していることがわかります。 そのため、摂取によって人体に悪影響を及ぼすほどの塩素は水道水の中には含まれていないといえるでしょう。

「残留塩素」による害が指摘されるものもある

水道水中の残留塩素は、摂取しても人体に悪影響を及ぼすほどではないということは、すでにご説明した通りです。しかし、いくつかの点で残留塩素による害が指摘されているケースもあります。

例えば、髪や皮膚は残留塩素によってダメージを受け、少しずつ痛みやすくなっているという指摘があります。また、水道水を使ってお米を炊くと、残留塩素によりお米の持つ栄養素「ビタミンB1」が破壊されてしまいます。
他にも、水道の水で金魚を飼うと金魚が死んでしまう原因は、残留塩素だといわれています。

摂取によって人体に悪影響を及ぼすほどではないものの、残留塩素は、さまざまな部分に少しずつ影響を及ぼしているといえるでしょう。

残留塩素によって発生する「トリハロメタン」とは

健康に与える影響はない

水道水に含まれる残留塩素は、摂取によって人体に悪影響を及ぼすほどではありません。
しかし、残留塩素が発生させる物質の中には、人体への悪影響が懸念されるものもあります。その1つが、有害物質である「トリハロメタン」です。

「トリハロメタン」は、肝障害や腎障害、がんの発生の原因になる可能性を指摘されている物質です。このトリハロメタンは、塩素が水中の有機物を分解した際に発生します。そして残念ながら、現在の浄水施設では、この物質を水中から取り除くことはできません。
もっとも、水道水に含まれるトリハロメタンの量は、残留塩素と同じように厳しく管理されています。具体的には「0.1mg/L以下」とされており、水道水が健康に与える影響はないと考えて良いでしょう。

残留塩素を取り除く方法

水道水の残留塩素を家庭で取り除く方法として、もっとも一般的に知られている方法は「煮沸」です。ただし、沸騰後にすぐ火を止めてしまうと残留塩素が十分に取り除けないどころか、水分中のトリハロメタンが増加してしまうという報告もあります。
残留塩素を取り除くためには、沸騰後にヤカンのフタを開け、10分から15分ほど沸騰させ続けると効果的です。

おわりに

水道水のカルキ臭の原因は、水中に含まれる残留塩素が原因だということが分かったね。残留塩素は摂取によって人体に大きく影響を及ぼすほどではないけれど、いろんな部分に少しずつ影響を与えているといわれているんだ。
残留塩素は煮沸によって取り除くこともできるけれど、沸騰させる時間によっては水中の有害物質がかえって増えてしまう場合もあるから、十分に注意してね。