コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
日本で暮らしている僕たちは、日常生活で当たり前のように水を利用しているよね。でも、たくさんの水を自由に使える環境って、実はとってもありがたいものなんだって。
2016年の夏には関東地方で深刻な水不足問題が発生したこともあって、「水が足りない状態」は他人事ではないって実感した人も多いんじゃないかな?
今回は、水不足が起こる原因について一緒に勉強してみよう!
「水の惑星」なのにどうして水不足になるの?
地球は、地表の7割を海が占めていることから「水の惑星」と呼ばれています。このように聞くと、地球は水に満ちあふれていて際限なく水を使えるように感じますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
答えは「No」です。なぜかというと、海水は生活用水としては使えないためです。
日常生活に使用可能な、海水以外の「淡水」は地球上の水全体の2%のみといわれています。しかもその大部分は北極と南極の氷山などです。人間を含む全陸上生物が実際に使用できる水の量は、地球上の水全体の0.01%以下といわれています。
世界全体で水不足となっている原因は?
日本国内で水不足が話題となる機会は少ないため、普段は水不足問題を意識することはあまりないかもしれません。しかし、世界では慢性的な水不足状態が続いています。
水不足が起こる一番大きな原因は、人間による水の使用量が急増したことです。人口増加および生活レベルの向上により、生活用水の使用量は30年前に比べ、全世界的に4倍にも増加しています。
特に大量の水を使うのが、食糧を生産するために必要な農業用水です。これは、50年前に比べて3倍も増加しています。
このような水の使用量の増加から、2025年には世界人口の3分の2が水不足に悩まされることになると予測されているのです。
日本で水不足が起こる原因は?
2016年夏、関東地方は冬の雪不足と梅雨時期の降雨量が少なかったことにより、深刻な水不足になりました。栃木県や茨城県の水源となっている鬼怒川では、19年ぶりに7月28日から20%の取水制限を実施するなどの対策が行われたことは、記憶に新しいところではないでしょうか。
上記の例からも分かる様に、日本で水不足が起こる主な原因は長期にわたる天候不良です。降雨量・降雪量が少なかった年にダムの貯水率が下がり、その結果水不足が発生します。
暖冬のため雪が降らない、梅雨なのに雨が降らない、台風の上陸が少ないなどの条件が重なると日本でも水不足に陥る可能性は十分にあるということです。
また、首都圏では人口の増加傾向が続いており、核家族化も進んでいることから、首都圏の水の使用量は特に増えています。
高まる水の需要に応えるためには、生活用水の供給に欠かせないダムを造る必要があります。しかし地形的な要因からダムの建設地は限られており、建設にも時間が掛かるため、ダムを建設することは容易ではありません。
このような水の需要と供給のバランスの崩れによって、今後首都圏での水不足問題が慢性化する可能性は大いにあります。
水不足問題のこれから
国内での水不足は諸外国の慢性的な被害に比べると軽い被害で終わり、いずれも一時的なものであるため、水が足りない状態が改善されれば節水への意識が薄れてしまうのが現状です。水不足の問題を地球規模で考えて、日常生活の中でもっと節水を心掛けるべきでしょう。
一般家庭の水の使用量が多いトップ3は、1位:風呂(1日約300リットル)、2位:水洗トイレ(1回約5~13リットル)、3位:炊事(1回約60~80リットル)です。風呂や炊事に利用した水を再利用したり、トイレで使用する水量を減らす工夫をしたりするなど、ことが求められています。
おわりに
今回は世界と日本の水不足について、その原因を中心に紹介したよ。雨が降らない日が続くから水不足になると思っていたけど、水を使う量が増えているとか首都圏に人口が集中しているとか、いろいろな原因があるんだね!
「水は命の源」といわれているとおり、水は僕たちの生活に欠かせないもの。これからもおいしい水をずっと飲み続けられるように、水を大切に使おうね!
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