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コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識

2016.05.02
放射性物質は飲料水に対してどのような悪影響があるの?

水の知識

放射性物質が飲食物に与える影響を心配している人も多いんじゃないかな?特に、生活に不可欠な水が毎日安心して飲めるかどうかは死活問題だよね。
体に害が出てしまってからでは遅いから、飲料水の安全性はあらかじめ知っておく必要があると思う。
そこで今回は、放射性物質が飲料水に対してどのような悪影響があるのかを紹介するよ!

放射性物質とは

放射性物質の悪影響

放射性物質とは、α線、β線、γ線などの放射線を放出することができる物質のことを指します。さまざまな物質や人体に何らかの影響を及ぼす原因は、この放射線です。
放射線を浴びることを被ばくと呼び、被ばくした量や放射線の種類によって、引き起こされる症状が異なってきます。一度に大量に被ばくすると、脱毛や下痢、皮下出血、重度のやけどなどの急性障害が起こる可能性があります。一方、一度の被ばく量が多くない場合でも、何年も経ってからガンや白内障、白血病などが発症することも考えられます。

実は、自然界にも放射性物質は存在し、私たちは日常生活の中でも放射線を浴びながら暮らしています。しかし、日常的な被ばく量は健康被害を招くようなレベルでないため心配ありません
多くの方が問題視していることは、2011年の原発事故の結果、私たちが普段口にする飲食物にも多くの放射線量が含まれているのではないか、ということです。
何も知らずに汚染された飲食物を毎日取り込んでいた場合、内部被ばくという状態になり、数年後・数十年後にガンなどの病気が発症する可能性もあります。

水道水への影響

水道水への影響

私たちは、水がなければ生きていけません。そんな命の源ともいえる水に放射性物質が含まれていた場合、私たちの体にはどのような影響があるのでしょうか。

原発事故の直後、大気中に大量に拡散した放射性物質は、雨によって地面へと降り注ぎました。そして、土壌から染みだした水は川を伝って下水処理場へと流れ込み、水道水に影響が現れ始めました。
影響とは、具体的には水道水から放射性ヨウ素と放射性セシウムが検出されたということです。
放射性ヨウ素は体内に蓄積されると甲状腺ガンの原因になるといわれています。また、放射性セシウムは白血病や不妊化などの原因になる、非常に危険な物質です。

2011年3月22日の葛飾区の金町浄水場では、210Bq/kg(Bq=ベクレル)の放射性ヨウ素が検出されました。
当時の飲料水の基準では、放射性ヨウ素300Bq/kg(乳児の場合は100Bq/kg)および放射性セシウム200Bq/kgが規制対象になる値であったため、放射性ヨウ素210Bq/kgという数値は乳児にとっては危険であったと考えられます。
ただし、2日後には検出量も基準値以下の79Bqになり、3月31日以降は不検出が続いています。

現在の水質状況

現在の水質状況

食品衛生法が見直され、2012年4月1日以降は飲料水における放射性セシウム10Bq/kgという非常に厳しい数値に基準が設定されました。

そして、2016年1月25日現在、金町浄水場では放射性ヨウ素・セシウムはともに不検出となっています。また、同じく都内の小作浄水場(2016年1月27日現在)、埼玉県朝霞浄水場(2016年1月26日現在)でも両元素は検出されていません。
関東・東北各地でも2016年2月9日現在、水道水中の放射性物質は不検出という結果になっているため、水道水を日常的に飲む分には、悪影響はないと考えて良いでしょう。

また、地面に染み込んだ放射性物質が地下水源に与える影響も心配されていますが、今のところ土壌の表面までしか行き着くことはないとされています。
そのため、ボトリングされたミネラルウォーターや天然水にも、放射性物質の影響はないと考えて良いでしょう。

おわりに

放射性物質によって汚染された水は、人体に重大な病気などを引き起こす可能性があるんだ。放射性物質は目に見えないものだからこそ、飲食物を選ぶ際には気をつけたいね。
でも、現在水道水やミネラルウォーターなどからは、放射性物質は検出されていないから、飲料水に影響はないと考えて良いと思うよ!