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コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識

2016.04.20
湧き水はどうやってできている?湧き水の仕組み

水の知識

湧き水の仕組み

日本にはたくさんの湧き水があることを知っているかな?湧き水は、昔から飲料水や農業用水として人々の生活を支えてきた大切な命の源なんだよ。
山登りをしたことがある人なら、地表から水が流れ出ている風景を見かけたことがあるとおもうけど、実はあれも湧き水なんだ。そもそも、みんなは湧き水がどうやってできているか知っているかな?
今回は、気になる湧き水の仕組みについて紹介するよ!

湧き水とは?

湧き水

山間部に降った雨や雪は、長い時間をかけて地層を通り、自然にろ過されて地下水となります。湧き水とは、その地下水が地表に自然に出てきた水のことです。大規模な湧き水はそのまま川の源流となる場合もあります。

気象条件や人為作用などにより地下水が上下し、湧き水の量が増減することがありますが、一般的な河川水と比較するとその変動は少ないといわれています。そのため、多くの場合は安定した水資源となっています。

現代のように水道水の設備が整っていない時代は、湧き水は井戸水と並んで大切な生活用水として重宝されてきました。
江戸時代には湧き水を利用した給水システムが確立されましたが、現在でも当時開発された水利システムの水道などを維持管理している地域は少なくありません。

また、湧き水は数多くの呼び名を持っており「湧水(ゆうすい)」「清水(しょうず・しみず)」「生水(しょうず)」などがよく知られています。どの呼び名も、地域特有に使用されてきたものです。

湧き水の仕組み

崖線タイプ

地表に染み込んだ雨水や雪解け水は、地下深くの砂や小石などが詰まった地層へと浸透します。ここまで浸透した地下水は、水を通しにくい地層の上を高い位置から低い位置に向かって移動していきます。そして、段丘崖などの地層が露出している部分から湧き出すのです。

湧き水は、湧出の形態から「崖線(がいせん)タイプ」と「谷頭(こくとう)タイプ」の2つに分けることができます。
崖線タイプとは、台地の崖部分から湧出する湧き水のことを指し、谷頭タイプとは、台地面上の谷地形を呈する部分から湧出する湧き水のことを指します。

湧き水を見つけやすい場所

基本的に湧き水は、地下水の水頭が地表よりも高く、かつ地下水が地表に出てくる地質条件が満たされている場所に湧き出るといわれています。
では、具体的にどのような地形で湧き水が見られるのでしょうか。

扇状地の端部
扇状地は伏流水が存在しやすい環境が多く、扇端部では湧水地を見ることが可能です。
北アルプスの山麓や、黒部川扇状地などが挙げられます。

鍾乳洞の洞口
鍾乳洞とは、石灰岩が地下水などによって侵食された洞窟のことで、洞口が湧水地点となることがあります。
沖縄の島々や、岩手県にある龍泉洞などが挙げられます。

台地や段丘の崖沿い
台地や段丘など、段になっている地形の崖の下や中腹部分でも湧き水を見ることが可能です。場合によっては、台地の上から湧き水が出ていることもあります。
東京の武蔵野台地や、広島県の世羅台地などが挙げられます。

火山の山麓
溶岩が流れて固まった層や岩盤の割れ目なども、湧き水を見つけやすい場所の1つです。
富士山山麓の柿田川や、阿蘇山の山麓などが挙げられます。

おわりに

湧き水は長い時間をかけて、じっくりろ過されたお水だったんだね。昔から人々の生活に密接に関わっていた湧き水は、今でも貴重な水資源として活用している地域が多いんだよ!
名水と呼ばれている地域では、湧き水を汲んで持ち帰ることもできるよね。でも、湧き水の中には何の処理もされていない水も多いから雑菌が繁殖しやすくなっているんだ。だから、汲んだ湧き水は早めに飲むか、一度煮沸して飲むことをおすすめするよ!