コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
ウイスキーやブランデー、焼酎などを水で薄めて飲むことを「水割り」と呼ぶよね。古くからヨーロッパでは、この手法でテイスティングを行っていたとされているんだ。
一方、日本人はアルコールを分解しにくい体質のため、強い度数や独特の臭みを薄めて飲みやすくした水割りが一般的な飲み方として普及したんだ。また、水割りは料理との相性も良く、濃度を調節して節度ある飲酒もできるよね。
僕たちにとって身近な水割りだけれど、使用する水に着目している人はどれくらいいるのかな?水にもさまざまな特徴があって、使用する水によって水割りの味は変わるんだ。
今回は、水割りに適した水の種類を紹介するよ!
硬水・軟水の違い
どのような水にもミネラルという成分が含まれており、ミネラル中のマグネシウムとカルシウムの含有量によって軟水・硬水に区別されます。
硬度(単位はmg)の計算式は、「カルシウム含有量×2.5+マグネシウム含有量×4.1」です。世界保健機関(WHO)の基準では、水1Lに対して硬度60mg未満を軟水、60mg以上120mg未満を中軟水、120mg以上を硬水と定めています。日本では、一般的に硬度100mg未満を軟水、それ以上を硬水と区別しています。
硬水はミネラル分を多く含み、締まった重い風味が特徴ですが、軟水はクセがなく、まろやかな口当たりです。
水割りには軟水がおすすめ
一般的に水割りに使用する水は、軟水をおすすめします。国産のお酒であれば、軟水や中軟水を選びましょう。軟水はお酒になじみやすく、味や香りを引き立ててくれます。もちろん、軟水の中にもさまざまな硬度のものがあるため、自分の口に合う硬度の軟水を見つけてください。
一方、硬水を使用すると豊富に含まれるミネラル分が溶け、お酒の味や香りを変えてしまう場合があります。お酒の旨味を損ねないためにも、軟水を使用する方が良いでしょう。
可能であれば、使用する水と同様に氷にもこだわってください。市販のロックアイスでも構いませんが、よりこだわるならば、水割りに使用するものと同じ水で作ることをおすすめします。水道水は冷えたままでは独特の臭みが消えないため、控えた方が良いでしょう。
こだわり派は仕込み水をチェック
水割りをさらにおいしく飲みたい方は、仕込み水をチェックしましょう。仕込み水とは、麦の発芽・糖化・発酵・加工などの製造過程で使用される水のことで、お酒の味を左右する大切な要素です。日本では主に軟水仕込みですが、ヨーロッパでは硬水仕込みのお酒もあります。
水割りの最もおいしい飲み方は、仕込み水と同じ水を使用することです。そこまでこだわらないにしても、仕込み水と近い硬度の水を選ぶと、お酒本来の味を充分に引き出すことができるでしょう。
おいしい水割りの作り方
【1】よく冷やしたグラスに氷を容量いっぱいに入れ、お酒を注ぎます。
【2】何度もかき混ぜます。お酒は氷に反応して希釈熱を出し、温度が上昇します。何度もかき混ぜる理由は、上昇した温度を下げるためです。混ぜている間に氷が溶けたら、その分の氷を足します。
【3】注いだお酒の2倍から2.5倍の水を注ぎ、2、3回かき混ぜると完成です。
おわりに
一般的に、水割りには軟水が適しているみたいだね。軟水は硬水と比較してクセがなくなじみやすいため、お酒本来の味を引き立ててくれるんだ。
さらにこだわりたい人は、お酒の銘柄によって異なる仕込み水を調べて、仕込み水に近い硬度の水を使ってみよう!国産の水は全国各地で販売されているため見つけやすいし、外国産のお酒であっても、ラベルに表記された産地の水を調べると見つけることができるよ。
水割りに使用する水にこだわって、よりおいしいお酒を楽しもう!
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