コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
煎茶や玉露は日本人になじみの深いお茶だけど、入れ方にちょっとしたコツがあるのを知っているかな?
今回は、煎茶と玉露の美味しい入れ方を紹介するよ!
煎茶と玉露の違い
煎茶や玉露など、呼び方が異なるさまざまなお茶が存在しますが、実はすべて同じ「茶葉」が使用されています。風味や色合いの違いなどを生み出しているのは栽培方法や加工方法の違いです。
煎茶は、新芽が出た時から日光をたっぷり浴びて育てられています。そのため、香り・甘み・渋みのバランスが取れた味わいが特徴です。
一方の玉露は、茶摘みの3週間ほど前から日光の量を10~30%に抑制して育てられます。日光を遮り光合成を阻むことで、渋みのもとであるカテキンの生成を抑え、代わりに旨味成分であるテアニンを増加させるのです。玉露独特の濃厚な旨味はこうして出来上がります。
【入れ方のコツ・その1】必ず軟水を使用
美味しいお茶を入れるために、まず気を付けたいのが水選びです。
お茶を入れるのに適した水質は軟水です。お茶を入れる際に硬水を使用してしまうと、硬水に含まれる多量のミネラルとお茶に含まれるカテキンやカフェインが反応して、入れたお茶の風味や色合いが損なわれてしまうため、お茶には向きません。
煎茶・玉露などのお茶を入れる際には、必ず軟水を使用しましょう。
美味しい軟水のミネラルウォーターを使えば、普段よりもさらに美味しいお茶を入れることができるでしょう。ただし、外国産のミネラルウォーターは硬水が多いため、注意が必要です。
日本の水はほとんどが軟水のため、水道水も使用できますが、水道水を使う際はカルキ臭を抜くために一度沸騰させてから使います。
【入れ方のコツ・その2】お湯を冷まして温度調整
お茶を美味しく入れるためには、お茶の種類に合った温度のお湯を使うことが非常に重要です。温度が適切でないときれいな色合いが出せないだけでなく、不要な苦味が出てしまったり、せっかくの旨味が出し切れなかったりします。
煎茶・玉露を入れる際には、一度沸騰させたお湯を適温になるまで冷ましてから使用するのが一般的です。お茶ごとに適したお湯の温度は異なります。 お湯を冷ます際には、沸騰したお湯を人数分の湯のみに分けて入れる方法がおすすめです。お湯を冷ましながら湯のみを温めることができ、1人あたりの分量も見ることができます。
お湯が冷めるのを待っている時間がない場合は、ウォーターサーバーの温水機能や保温機能のある電気ポットを利用することで、お湯を冷ます時間を短縮できます。設定温度によっては湯冷まし不要となる場合もあるため、急ぎの際は有効活用すると良いでしょう。
美味しい煎茶の入れ方
上級茶葉は旨味が強めで、中級茶葉は渋み成分(カテキン)が多い特徴があります。上級茶葉は、旨味を引き出すために低温で入れるのがおすすめです。中級茶葉は、渋みを出し過ぎず香りを引き出すようにすると美味しい煎茶が入れられるでしょう。
1.沸騰したお湯を約100mlずつ湯のみに入れ、上級煎茶は70~80℃、中級煎茶は80~90℃前後まで冷まします。
2.急須に茶葉を1人あたりティースプーン1杯(2~3g)入れます。
3.適温に冷ましたお湯を急須へ入れます。
4.上級煎茶は1分、中級煎茶は30秒ほど抽出しましょう。
5.急須の中の茶葉が開いていることを確認し、数回に分けて湯のみに注ぎ入れます。
美味しい玉露の入れ方
玉露は旨味成分(テアニン)が豊富に含まれるため、煎茶よりもさらに低い温度でじっくりと旨味を引き出します。
1.沸騰したお湯を約50mlずつ湯のみに入れ、50~60℃前後まで冷まします。
2.急須に茶葉を1人あたりティースプーン山盛り1杯(3~5g)入れます。
3.適温に冷ましたお湯を急須へ入れます。
4.2分ほど待ち、じっくりと抽出しましょう。
5.急須の中の茶葉が開いていることを確認し、数回に分けて湯のみに注ぎ入れます。
2煎目を美味しく楽しむポイント
一度お茶を入れたあとに、急須に再びお湯を入れて抽出したお茶のことを2煎目と呼びます。
1煎目で急須の中にお湯を残してしまうと茶葉の苦味が出てしまうため、最初のお茶はすべて注ぎ切るようすると、2煎目も美味しく入れることができます。
茶葉が既に開いているため、抽出時間は煎茶の場合10秒程度、玉露の場合は20~30秒程度で十分です。1煎目よりも少し高温のお湯を使用すると、残った旨味と渋みのバランスを楽しめますよ。
おわりに
美味しいお茶を入れるためには、美味しい軟水を使うことに加えて、お湯の温度と抽出時間の調節が特に大切なんだ。ウォーターサーバーや電気ポットなどで手持ちのお茶に合わせた温度のお湯をすぐに出せるようにしておけば、急な来客に備えられて便利だよ。
湯のみの形や茶葉にもこだわって、自慢できるようなすてきなおもてなしができると良いね!
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