コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
熱帯魚って見ているだけで癒されるし、キレイだからお部屋がおしゃれにもなるよね!
でも、熱帯魚を飼う際にちょっと不安なのが、魚に合う水を上手に作ってあげられるかどうかじゃないかな?特殊な水を使わなければいけないのか、それとも手軽に手に入る水道水やミネラルウォーターを使えるのか気になる人も多いと思う。
そこで今回は、初めての方でも安心できる、熱帯魚飼育に適した水作りのポイントを紹介するよ!
意外!日本の水道水は熱帯魚の飼育に合う
熱帯魚を飼育するうえで最も注意を払うべきことは、水の管理です。
自分が飼いたい熱帯魚たちがどのような水質を好むかを知っておけば、熱帯魚が住みやすい環境を作ることができます。
中でも特に知っておきたいポイントが、水のpH(ペーハー)と硬度、そしてカルキ抜きです。
pH
pHは、水中の酸性・アルカリ性の度合いをpH0~14で示す数値で、pH7を中性として、pH0に近いほど酸性、pH14に近いほどアルカリ性を表します。
硬度
硬度は、水中に含まれるミネラルや添加物の含有度を表すもので、ミネラル分が多いと硬水、少ないと軟水と呼ばれます。ミネラルウォーターの風味や舌触りが取水地によって異なるのも、この硬度の違いによるものです。
日本の水道水の大半は中性前後の軟水で、多くの熱帯魚が住む河川の水の硬度に近いため、実は水道水は熱帯魚の飼育に適している水といえます。実際に中性付近のpH値であるアマゾン川や東南アジアの水流を生息地とする熱帯魚たちは、水道水の水質を好む種類です。
カルキ抜き
水道水が熱帯魚に適しているといっても、そのまま飼育に使用してはいけません。
水道水には、人間が安全に使用できるように水道法で定められた量の塩素が含まれています。人間の健康に害のない量の塩素でも、熱帯魚にとっては大きなストレスです。そのため、塩素を取り除く作業、いわゆる「カルキ抜き」をしてから使用しましょう。
カルキ抜きは専用の薬剤を使用すると簡単に完了します。
バクテリアの力を借りよう!飼育に適した水の作り方
熱帯魚を飼い始めて数日間は、魚の糞やさまざまな物質で水槽の水が濁ります。バクテリアは濁りをキレイにしてくれ、糞などの有害物質を無害なものへ分解してくれる頼もしい存在です。水槽の水はバクテリアの力によって、以下のような順序でろ過されクリーンな状態になります。
1.カルキ抜きした水道水に熱帯魚を入れてしばらくすると、糞やエサのゴミが発生し、水槽のろ過フィルターなどに付着する。
2.たまった糞からアンモニアが発生し、水槽の水が濁り状態が悪くなる。
3.アンモニアがある程度の量になると、アンモニアを分解してくれるバクテリアが自然発生。
4.バクテリアがアンモニアを分解すると、亜硝酸が増え再度水質が悪くなる。
5.亜硝酸が一定数増えると、今度は亜硝酸を分解するバクテリアが自然発生し、水槽の水が安定する。
1から5までの工程で2回水槽の状態が悪化するため、初めて飼育をする方ならなおさら心配になりますが、この工程のおかげで水質が格段に上がり、熱帯魚は病気にかかりにくくなります。
このように、自然発生するバクテリアの力を借りると、熱帯魚に最適な水環境を作ることが可能です。
熱帯魚が喜ぶ水槽と水質のカスタマイズ
熱帯魚に最適な水作りが完成したら、より熱帯魚が喜ぶ環境を作りましょう。
例えば、飼っている熱帯魚の生息地を調べて、その流域に近い環境に生きる植物を水槽に加えてみるのも1つの方法です。
また、水温も同様に、生息地の環境に近い温度にしてあげると生き生きと泳ぐ姿が見られるでしょう。
その他、水質を一定に保つために、熱帯魚の種類に合わせて水の交換や、水槽・底床のクリーニングも行ってください。
おわりに
どうやら熱帯魚の飼育には水道水が使えるみたいだね。その理由はpHが中性に近く、魚が生きる環境に適しているからなんだ。でも、そのままだと魚にとってはストレスを感じてしまうから、水道水を使うときはカルキ抜きを必ずしようね。
熱帯魚や水槽のお手入れは、時間が経つごとに新しい発見があったり、どんどん愛着が湧いてきたりするからとてもおもしろいんだ!
元気に泳ぐ熱帯魚たちの健康のために、こまめに水槽と水質の管理をしていこう!
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