コラム 〜 ふじみんと学ぶ！ お水の基礎知識

授乳時期の必須栄養素と母乳に良い食べ物は？

授乳時期の食事の基本は、1日3食しっかりと食事をとることです。また、母乳の約9割は水分といわれているため、水分補給もしっかりと行いましょう。

授乳時期に必要な1日の総カロリーは、なんと約2,500kcalもあります。だからと言って、好きなものを好きなだけ食べて良いというわけではありません。
ママが食べるものは血液となってから母乳になり赤ちゃんの栄養源となるため、良質な食材を選んでとることでより良い母乳を作ることができます。

では、授乳時期に必要な栄養素とは具体的にはどのようなものなのでしょうか？ここでは授乳時期に必要な栄養素を軸に、母乳に良い食べ物をご紹介します。

カルシウムが豊富な「小魚・牛乳」など

授乳時期はカルシウムが不足気味になり、母体の骨や歯がもろくなりがちなため、意識してカルシウムをとりましょう。
食べる際はその食材を単品で摂取するのではなく、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDや骨作りに役立つビタミンKを含む食材と合わせるとさらに効果的です。

【カルシウムが豊富な食材】
干しえび、桜えび、牛乳、小魚（ししゃも・じゃこ・煮干しなど）、小松菜、モロヘイヤ、厚揚げ、ひじきなど

鉄分が豊富な「レバー・かつお」など

血液作りに必要な栄養素・鉄分。母乳は血液から作られるため、授乳回数の多い産後間もない時期は、特に意識して摂取したい栄養素です。
鉄分は、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、野菜などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類に分けられます。非ヘム鉄は単品で食べると効率良く栄養素を摂取できないため、ビタミンCや動物性タンパク質、銅、亜鉛などと一緒にとると、鉄分が体内に吸収されやすくなります。

【鉄分が豊富な食材】
豚レバー、鶏レバー、牛もも赤肉、かつお、納豆、しじみ、プルーンなど

葉酸が豊富なかぼちゃ・ブロッコリーなど

葉酸は細胞の生産や再生を手助けし、体の発育を促します。また、ビタミンB12と共に赤血球を作る、血液の大事な材料でもあります。
ただし葉酸は水溶性で熱に弱いため、ゆでると栄養の多くが失われてしまいます。蒸し器やレンジで蒸す、軽く炒める、生で食べるなどして摂取すると良いでしょう。

【葉酸が豊富な食材】
かぼちゃ、モロヘイヤ、ほうれん草、枝豆、納豆、ブロッコリー、アスパラガス、春菊、いちごなど

授乳時期に控えるべき母乳に悪い食べ物・飲み物は？

授乳時期に必要な栄養は数多くありますが、一方で授乳時期に摂取を控えるべき食べ物や飲み物もあります。
ここでは、母乳に悪い影響を及ぼす可能性のある食べ物・飲み物をご紹介します。

アルコール・カフェイン関連

妊娠中から引き続き、アルコールとカフェインが含まれる飲み物・食べ物は極力避けましょう。

特に授乳中に飲酒をすると、母体の血中アルコール濃度とほぼ同じ濃度で母乳にアルコールが入ってしまいます。その結果、赤ちゃんに脳や体の発達の遅れや、アルコール中毒の症状が出ることも。

また、授乳中にカフェインを摂取すると、摂取量の1％程度が母乳に入ります。
コーヒーを1日2～3杯飲んでもあまり影響はありませんが、飲み過ぎると赤ちゃんが興奮気味になったり寝付きが悪くなったりする可能性があります。一度にたくさんの量を飲むことは控え、少量ずつ飲むことをおすすめします。

油分や糖分を多く含む食べ物や飲み物

空腹時につい手が伸びてしまいがちな、スナック菓子や清涼飲料水。しかし、油分や糖分が多い食べ物や飲み物をとり過ぎると母体の血液がドロドロになり、その結果質の悪い母乳が作られていまいます。
また、高カロリーな間食が習慣になってしまうと卒乳後に体重が増加する原因となることもあるため、注意が必要です。

体を冷やす食べ物や飲み物

妊娠中と同様に、授乳時期も体の冷えは厳禁です。体を冷やすと母体の血流が悪くなり、母乳量も低下します。水分をとることは大切ですが、冷たいものではなく白湯や麦茶・ルイボスティーなどのノンカフェインの温かいお茶がおすすめです。
また、生野菜（トマト、きゅうりなど）も体を冷やすため控えめに。スイカや梨、柿などの果物も食べ過ぎ注意です。