コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
毎年夏になると「熱中症」や「脱水症」にかかってしまう人が増加する。これらは暑くて汗の量が多い夏の症状だと思われがちだけど、実は寒い冬でも脱水状態になる危険性があるんだ。
ここでは、とくに医学的な知識や意識が乏しい子供たちの脱水症について紹介するよ。
子供の脱水症状をどのように防止し、また、どのように対応したら良いのか、対処法の参考にしてね。
「脱水症」とは
人間の体の大部分(約7割)は、水分で組成されおり、体内の水分は酸素や栄養の循環、老廃物の排出、体温調整などの重要な働きを担っています。
しかし急激な脱水状態が起こるとその働きが低下するばかりか、最悪の場合、死に至ることも少なくありません。
子供に以下のような症状が出たら、「脱水症」を疑ってください。
・激しい嘔吐、下痢が長く続く
・排尿の回数・量が減る
・目が落ちくぼむ
・口・舌が乾燥し、舌の表面に亀裂があったり白いもので覆われたりしている
・皮膚が乾燥する
・高熱が続き食欲が低下する
・爪を押した後、色が白色からピンク色に戻るまで3秒以上かかる
・手足が冷たくなる
脱水症とは、嘔吐や下痢、また暑さや発熱による発汗作用で水分が失われたりして体内に必要な水分が不足し、循環機能が不全となった状態のことを指します。
子供は大人よりも水分補給が必要
子供は大人よりも脱水症になりやすいといわれており、その理由は大きく分けて5つあります。
【1】子供は成人と比較して、体重に占める体液の割合が70%~80%と高いが、十分な水分補給が行われないため、脱水症になりやすい。
【2】体重当たりの不感蒸泄(発汗以外の呼気や皮膚から失われる水分)が成人より多いため、脱水症になりやすい。
【3】子供の腎臓機能は、十分に発達しておらず、体液の喪失を防ぐための水分や電解質を再吸収する機能が弱い。
【4】子供は成人と比べて水分の体内外への出入りが大きく、細胞外液が1日で2分の1入れ替わる。
【5】とくに新生児や乳児は、自分の意志で水分や電解質の補給を行うことが難しく、保護者の気付きの遅れで脱水症になりやすい。
つまり、子供は必要とする水分量が多い上に、体内で入れ替わる水分量も多いため、水分補給をこまめに行う必要性があるのです。
水分補給のタイミング
では、子供の脱水症を防ぐための水分補給のタイミングや水分の摂らせ方は、どのようにすると良いのでしょうか。
まず、脱水症対策の基本は「早期発見、早期治療」であることを、保護管理している大人が心得ておくことが大切です。日頃から子供たちの全身をよく観察し、些細な変化を早期に見つけられるようにしてください。
脱水状態時にはもちろん水分補給が必要ですが、水分であれば何でも良いというわけではありません。体から失われたものの中には、水分だけではなくナトリウムやカリウムなどの電解質も含まれています。水分補給の際には、電解質を含んだ良質な水を補給させることも大切です。イオン飲料などのバランスの取れた飲み物を与えましょう。
また、水分の正しい摂らせ方は、少量ずつ回数を多く飲ませていくことが大切です。一度に多量に飲ませないよう気をつけましょう。
脱水の予防として、1日に9~11回程度の水分摂取を心がけることが大切です。こまめに水分を補給することで、体温異常を起こしにくくなります。
例えば、朝の起床時にコップ1杯の水、昼食時にもコップ1杯、入浴前の1杯を含め、1日当たり約1.5~2.0リットルの真水やお茶が良い水分補給となります。
おわりに
冬は空気が乾燥する上、汗をかかなくても体内の水分が逃げやすくなるし、暖房を使用するとより水分を奪われやすくなるんだ。
とくに子供の体は大人よりも必要な水分量が多いから、意識的に水分補給をする必要があるね。
子供の体調の変化や季節の変化に気を付け、正しい水分補給をさせることで、子供を脱水から守ろう!
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