妊娠中の体重増加はどの程度が適正？妊婦の体重管理について

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2016.9.20: 妊娠中の体重増加はどの程度が適正？妊婦の体重管理について

妊婦の体重管理

「妊婦さんは赤ちゃんの分までしっかり食べなさい」
昔はよくいわれていたこの言葉。でも、現代の考え方はちょっと違うんだ！
妊娠中に体重が増えるのは当たり前のことだけど、一体どのくらい増加して良いか知っているかな？
ここでは、妊娠中の体重増加はどのくらいがベストなのかと、体重の管理方法について紹介するよ

妊娠中は2人分食べる…、はウソ！

過度な体重増加

かつて妊婦は、「赤ちゃんのために2人分食べましょう」と周囲から指導されていました。しかし現代では、その考え方は改められています。妊娠中の過度な体重増加は病気を招き、母子の体が危険にさらされるからです。
また、最近多いのが痩せ過ぎの妊婦。こちらもお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼします。以下がそれぞれの主なリスクです。

・母体の太り過ぎによるリスク

■出産時にトラブルが起きやすくなる
母体が太り過ぎると産道にも余分な脂肪がつき、分娩時に赤ちゃんが下がりにくくなります。また、子宮収縮が弱まって本陣痛がなかなか始まらず、出産が長引くことがあります。

■妊娠糖尿病になる可能性が高まる
妊娠すると血糖値が上がりやすくなりますが、甘い物などを食べ過ぎて血糖値が急上昇した結果、妊娠糖尿病になる場合があります。妊娠糖尿病になると、妊娠高血圧症候群や流産、早産を引き起こしやすくするほか、胎児発育不全や胎児機能不全、巨大児などのリスクも高まります。妊娠高血圧症候群は重症化した場合、妊婦の脳出血やけいれん症状、腎臓・肝臓の機能障害に繋がります。

■母体への負担が大きくなる
体重増加により母体の心臓に負担がかかったり、腰痛や膝痛が慢性化したりします。

・母体の痩せ過ぎによるリスク

■低出生体重児になる可能性が高まる
妊婦が栄養不足だと、お腹の赤ちゃんが2500g未満の低出生体重児になる可能性が出てきます。低出生体重児は栄養を上手に摂取できず、出生後も体が弱かったり、知能や運動能力の発達が遅れたりすることがあります。また、将来的に虚血性心疾患や2型糖尿病、メタボリック症候群、脳梗塞など、さまざまな生活習慣病を発症する危険性を抱えています。

妊娠中の理想的な体重増加は？

では、妊娠中はどのくらい体重を増やせば良いのでしょうか？
これは、妊婦ごとに異なります。なぜなら妊娠前の体型により、理想的な増加体重が異なるからです。
増加体重の目標数値を知るには、自分の肥満度をBMI（Body Mass Index）と呼ばれる体格指数で調べる必要があります。計算方法は以下のとおりです。

妊娠前の体重（㎏）÷身長（m）の2乗＝BMI値

上記のBMI値をもとに、理想の増加体重を見てみましょう。
●BMI 18.5未満（瘦せ体型）…10～12kg程度の増加
●BMI18～25未満（標準体型）…7～10kg程度の増加
●BMI25以上（肥満体型）… 5～7kg程度の増加

ちなみに、標準体型のママとお腹の赤ちゃんの、妊娠10カ月時点での理想体重の内訳は下記のとおりです。
●赤ちゃん　…約3㎏
●羊水・胎盤　…約1㎏
●母体の理想体重増加分（血液・水分・脂肪など）　…約3～4㎏

赤ちゃんや羊水、胎盤の重さ、妊娠生活に必要な母体の血液や水分など、上記以外に体重が増えた分は、ほぼ全てママの脂肪となるので注意しましょう。
また、いくら痩せ型や標準体型の人でも、体重増加のペースが早すぎてはいけません。1週間に500g以上増えると、妊娠高血圧症候群などを発症する恐れが出てくるため、なるべく緩やかなペースで増やすように心掛けましょう。