コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
日本では、蛇口をひねれば飲める水が出てくるのは当たり前のことだよね。でも、水道水をそのまま飲める国の数は、世界中で約15カ国だといわれているんだ。ほとんどの国では、水道水をそのまま飲むことができないから、ろ過したり、ミネラルウォーターを買ったりする必要があるんだよ。
水は生物が生きていく上で必要不可欠なものだから、飲める水を確保することはとっても大事な問題だよね。
今回は、日本との関わりも深いアメリカの水事情について紹介するよ!
アメリカの水道水は飲める?
アメリカの水道水は州によって水質が異なりますが、結論から述べると基本的には安全に飲むことが可能です。
アメリカの水質基準は日本よりもはるかに厳しく、日本の水質基準の項目が約50であるのに対し、アメリカでは最大で約300ものチェック項目があります。また、新種の細菌などにも細心の注意を払っており、安全面においては心配ないでしょう。しかし、アメリカでは州やエリアごとで水質基準の規定が異なっているため、アメリカ全土の水道水が最高水準を保っているわけではありません。
また、味については水道水中の塩素濃度が高い州もあり、あまりおいしいとはいえないことも。水道水が安全であるとはいえ、水道水を飲み水として利用している方は少なく、ミネラルウォーターを購入して飲み水としている人が多いようです。
国土の範囲が広いと、それだけ浄水設備を整えるのにも莫大な時間とコストが掛かります。また、アメリカは基本的に各州に強い自治権が置かれているため、国全体で一斉に水道インフラを整えることも難しいのです。
水に関する社会問題
水質の問題はクリアしている一方で、水道水をおいしいと感じない方も多く、アメリカではペットボトル飲料水の消費量が激しいことが社会問題となっています。
アメリカのボトル飲料水は、石油を原料とした使い捨てのペットボトルを使用していることが多いため、ボトル飲料水が消費されればされるほど、石油を消費することにつながります。
そのため、サンフランシスコでは公用地でのペットボトル飲料水の販売を禁止する法律が制定されたり、植物由来の素材を一部利用した日本のボトルをメーカーが採用したりと、さまざまな対策が行われているようです。
アメリカの水の硬度はどれくらい?
水には硬度というものがあり、硬度120mg/lの基準を上回るものは硬水、下回るものは軟水とWHOによって定義づけされています。
日本の水は硬度が低い軟水が多く、口当たりがまろやかで飲みやすい水です。一方で、ヨーロッパ諸国の水は硬度の高い硬水が多く、マグネシウムやカルシウムが含まれているため、日本の水に慣れていると飲みにくいと感じるでしょう。
アメリカの水はというと、アメリカは国土が広いため、州によって水の硬度にもかなりの差があります。
ニューヨーク(硬度30 mg/l、以下数値のみ記載)やサンフランシスコ(55)、キャメロン(15)などは日本(30~60)と同じくらいの硬度の軟水であるのに対して、ラスベガス(400)、フェニックス(300)、セドナ(260)、セントルイス(140)などは硬度が高く、ヨーロッパの水の硬度(200~400)と変わりません。
おわりに
アメリカの水道水は、日本に比べてはるかに基準が厳しい水質基準をクリアしたものだから、安全面の点では問題ないみたいだね。でも、中には塩素濃度が高いせいで飲み水として利用するには難しいものもあるんだ。
硬度に関しては、州によっての違いはあるけれど、アメリカの水道水は基本的に硬水のものが多いかな。硬水を飲み慣れていない場合は体調を崩す恐れがあるから、アメリカで水道水を利用する場合は事前に硬度を調べておくことをおすすめするよ!
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