コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
日本と同じアジアにある中国は、水不足や水質汚染が大変な問題になっているんだって!中国は13億人もの人々が暮らしているせいか、使える水の量が不足していて水資源の危機を迎えているんだ。そこで今回は、中国のさまざまな水問題の原因と対策について紹介するよ!
中国の水不足問題について
2017年現在、中国の人口は約13.8億人。さらなる人口の増加は続いており、2030年までは増加の一途をたどるとの見方が示されています。
今も深刻な水不足状態に陥っている中国ですが、今後の人口増加に伴い、その状況はますます悪化するでしょう。
水不足の危機
中国で生活する人が使える水の量は1人当たり約2,000立方メートルで、世界平均の4分の1程度の量しかないとされています。
全国32の大都市のうち、30の都市が水不足の状態にあると指摘され、その中でもっとも危機的状況にあるのが北京です。政治・経済の中心地である首都でさえ、まともに水が供給されない異常事態となっています。
また、不足しているのは一般家庭で使用する生活用水だけではありません。工業用水の水不足も深刻な問題となっています。
GDPで日本を抜いて「世界第2位の経済大国」という称号を手に入れた中国ですが、その代償はあまりに大きかったのかもしれません。
水不足の原因は?
では、中国はなぜ水不足となっているのでしょうか。
急速に膨れあがる人口に対し、水の供給が追いついていないことはもちろん、経済発展に伴う水需要の急激な高まりも、水不足の原因の1つです。
また、中国は地域によって降雨量が大きく異なることも、水不足の原因といわれています。北京や上海などの北部地域は非常に降雨量が少なく、さらに都市部にあたるため、生活用水の使用量が多く、中国の中でも特に深刻な状況となっているのです。
中国の水質汚染の現状は?
中国の水は量だけでなく、質の問題も深刻です。中国国内の河川や湖、沼などでは水質汚染が進んでいて、河川・湖沼の水のうち75%と、中国の都市部を流れる地下水のうち90%が汚染されているといわれています。
特に北部の乾燥地域は前述の通り慢性的な水不足のため、地下水を多用してきました。しかし工業化を推し進めた結果、地下水の汚染が激しくなってしまったのです。
地下水に有害な化学物質が浸透すると、土壌にも影響を与え被害は広範囲に及びます。さらに、地下水は農業用水にも使用されることから、農作物が汚染されるリスクも考えられます。
今後、中国が取るべき対策
地下水や水道水がまともに使えない中国の状況は、早急に改善する必要があります。実際、中国政府も現在の深刻な状況を重く受け止め、水質改善に向けた具体的な動きを見せているのです。
具体的には、都市部の水処理施設を増やし、違法に化学用水を河川に排出する企業の取り締まりを強化しています。河川の浄化が進めば、生活用水の量も増えて水不足の改善につながるでしょう。
このような政府の環境促進プロジェクトに加え、高度な技術を使ったリサイクル対策も重要視されます。中国の人口は、今後しばらくは増えていくことが予想され、水質改善だけでは水不足の解消まで追いつきません。そのため、限られた資源を有効活用する水対策のスキーム策定が、中国政府の早急の課題とされています。
また、水処理技術において、日本は世界の先頭を走っています。日本の高度な技術を生かしたリサイクル対策を導入することで、中国が抱える水の問題は大きく前進するかもしれません。資源不足の問題は中国に限らず、世界共通の課題でもあるため、国境を越えた取り組みと協力体制が不可欠です。
おわりに
中国は水不足や水質汚染など、さまざまな問題を抱えているんだね。安心してお水を飲むために、ウォーターサーバーを設置している家庭も多いらしいよ。
水は生活のすべての基本で、生きるためには欠かせない大切な資源!日本は、過去に水汚染による公害問題を克服した経験を持つから、いろいろな面で中国に協力できたらいいね。
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