コラム 〜 ふじみんと学ぶ! お水の基礎知識
日本では、蛇口をひねればいつでも水道水を飲めるけど、水道水が飲めるのは世界中でも日本を含む10数カ国しかないんだって。
実は、毎年日本人が16万人も訪れているお隣の韓国も、水道水が安全ではない国の1つだといわれているんだよ。日本でも旅行先として人気が高い国だけど、いったいどんなことが起こっているんだろう?
それじゃあ今回は、韓国の水事情をチェックしてみよう!
慢性的な水不足に悩まされる韓国
韓国の水問題の1つが水不足です。韓国は慢性的な水不足に悩まされていますが、とくに2015年10月は大干ばつに見舞われ、各地で給水制限をする事態にまで陥っています。
その原因には、長期にわたり続く雨不足、国土面積に対する人口密度、ダム・貯水池が挙げられます。
また、韓国では水の料金が政策により安く抑えられています。そのため、水に対する国民の意識が低く、水を大量に消費してしまう傾向にあるようです。
干ばつが起こった当初は、給水制限された地域を尻目に、されていない地域では大量の水が消費されるという状況も非常に問題視されていました。
ペットボトルからヒ素?深刻な水質問題
2015年には、ペットボトルのミネラルウォーターから大腸菌や過マンガン酸カリウム、臭素酸塩、さらにはヒ素までもが検出され、回収される事態も起きました。この事件の一因は、河川の慢性的な汚染が関係しているともいわれています。
そして、韓国産のミネラルウォーターは今現在日本国内でも流通しています。韓国産は全て危ないというわけではありませんが、しっかりと実態を認識し、調査をしてから買う必要があるでしょう。
川がヘドロに…魚が死ぬ川
韓国の水問題は水不足だけではありません。
2016年7月、四大河川調査委員会により洛東江という川の水質調査が行われました。洛東江は1,000万人の水源として利用されている川であるにも関わらず、その水質は魚も全滅する最低レベルの水質であることが判明しました。
今や川の底はヘドロに覆われ、緑色に変色してしまっています。洛東江の水質汚染は2013年から指摘されていましたが、それから改善されることもなく、今や取り返しのつかないレベルにまで汚染が及んでいるのです。
洛東江から波及して汚染問題も発生しているため、早急な対応が求められています。
実は韓国の水道水は飲める?現状と認識の差
韓国の水道水も、飲めるレベルまでしっかりと浄水されていて飲むことができるといわれています。しかし、実際に韓国人が水道水を飲んでいるかというと、答えはNOです。
調査によると、韓国で水道水を飲用している人は国民のわずか5%に留まるとの結果が出ており、日本の各種旅行ガイドでも生水は飲まない方がよいとされています。
水道水を飲む文化がなかなか根付かないのは、度々起こる水質汚染問題も影響しているのかもしれません。
そのため、韓国ではウォーターサーバーの水を飲用水として利用しているケースが大半で、多くの飲食店ではウォーターサーバーを設置しています。そのような事情もあり、実は韓国は有数のウォーターサーバー先進国といわれています。
一方で、日本は水道水が発達しているためウォーターサーバーの使用意義が認識されにくく、ウォーターサーバー後進国ともいわれています。しかし、近頃は健康のためにウォーターサーバーを設置する家庭が増えてきていることから、安くて使いやすいウォーターサーバーも増えています。
おわりに
日本は川の水もきれいだから、安心してミネラルウォーターや水道水を口にすることができるよね。でも、その環境は決して当たり前のものじゃなくて、すぐ隣の国・韓国ではこのようなことが起きているという事実を知っておこう。
僕たちが普段きれいでおいしい水を飲めていることは、世界的に見てもかなり恵まれていることなんだ。これをきっかけに、身近な水について考えてみてくれたらうれしいな!
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